自動車業界の株

自動車大手3社の動向

2006年度、自動車業界には円安と原料高という二つの風が吹きました。前者の円安は輸出産業である自動車業界にとっては追い風です。円安ということはイコール、ドル高であり、これによって売り上げが上昇し、国際競争力がアップします。これに対して原料高は紛れもなく悪い風。原料があがれば当然部品の価格も上昇します。自動車は2万から3万にものぼる部品で出来ており、各企業ともに生産コストの上昇に苦しみました。この2つの風により相殺が行われたとする見方もあるようですが、それは各企業によって様子が違うようです。国内で大手3社と呼ばれるトヨタ、日産、ホンダですが、トヨタは部品メーカーとしてデンソーを育てており、グループ内調達はホンダも同様です。しかし日産のみは中長期的な試みである「ゴーン改革」により系列との関係を破壊したことが、よい部品の調達を難しくしました。このマイナス面に対してカルソニックカンセイを連結子会社化しましたが、他の部品メーカーとは一度破壊された関係値の維持が難しくなっています。このように各社取り組みによって明暗が分かれています。

新潟県中越地震の影響

2004年10月に震度7を観測した新潟県中越地震は自動車業界にも影響を与えました。新潟県柏崎市には自動車部品大手の株式会社リケンの工場があり、この工場が地震被害のために一時生産を中止せざるを得なかったからです。リケン社は自動車の自動変速機や無段変速機の油漏れを防ぐシール材で7割、エンジン関連のピストンリングで4割のシェアを誇る。工場の復旧には精密機器の検査などに時間が掛かり、トヨタ自動車などの自動車メーカー各社はリケン社以外の部品メーカーからの調達に追われたが、前述のように大きなシェアを持つリケン社の供給量を確保するのは困難を極めた。各自動車会社は応援を派遣し急ピッチの復旧を支援したが、自動車の生産計画に遅れが生じ、トヨタでは5万5000台、ホンダは1万2700台、日産で1万2000台に達した。結局この遅れを取り戻すには各社数ヶ月を要したようです。自動車産業において生産台数は株価に直接影響を与える要因で、事実この地震後には、被害を受けたリケン社のみならず生産計画に最も影響のあったトヨタが株価を落としている。

円高と原油高、それぞれのの自動車株への影響

自動車業界はいまや輸出産業であり、その株価に影響を与えるものとして円高が挙げられます。円高になると商品価格が高くなってしまい国際競争力がダウンし、ドル建てで輸出をし(輸出業者の多くがドル建てで輸出をしています。)、それを円換算すると手取りが減って売り上げが落ちるためにマイナス材料といわれています。逆に円安はプラス材料となるわけです。この他に自動車業界にとって大きな影響を与えるのが原油高です。自動車の製造にも当然原油が使われるわけで、そういう意味では生産コストの増につながりますが、しかしそれよりも大きな影響が出るのが消費者の動向です。ガソリン価格の高騰により、消費者は出来るだけ燃費のよい車を求めることになり、そうなった場合、GMやフォードなどの比較的燃費の悪い自動車よりも燃費のよい日本車が売れるというわけです。しかし原油高は行き過ぎると全体的な物価の上昇を招き消費者の消費マインドを落とすことになるので、モノが売れなくなってしまいます。今後も原油高が続くようであれば自動車業界にとってもマイナス材料となるかもしれません。